2026-02-13

呉須(ごす)は「酸化焼成」でも使える? 還元焼成との発色比較テスト

「自宅の電気窯(酸化焼成)で呉須を使いたいけれど、どんな色になるの?」
「還元焼成と比べて、どれくらい色が変わるの?」

一般的に、呉須は「還元焼成(ガス窯など)」で鮮やかな青になると言われています。
しかし、種類によっては酸化焼成(電気窯)でも美しい色が出るものや、逆に全く違う色に変化するものがあります。

今回は、深海商店の代表的な呉須8種類を、同じ条件で焼き比べてみました。
あなたの窯に合う「青」を見つける参考にしてください。

【基礎知識】酸化と還元の違い

  • 酸化焼成(さんかしょうせい):酸素が十分にある状態で焼くこと。電気窯の標準的な焼き方。
  • 還元焼成(かんげんしょうせい):窯の中の酸素を減らして(酸欠状態で)焼くこと。ガス窯などで、金属の化学変化を利用して発色させる焼き方。

実験条件

  • 使用土:天草陶石(特上)
  • 還元焼成:1250℃(ガス窯・濃度強め)
  • 酸化焼成:1230℃(電気窯)

※各画像の上半分は「釉薬なし(呉須のみ)」、下半分は「石灰透明釉」を掛けています。


【完全保存版】8種呉須の発色比較リスト

左が「還元(いつもの染付)」、右が「酸化(電気窯など)」です。
色の変化にご注目ください。

還元焼成(Gas / Reduction) 酸化焼成(Electric / Oxidation)
1. 支那呉須一号(しなごす)
特徴:明るく鮮やかな青。酸化でも比較的青味が残りやすい。
支那呉須一号 還元焼成 色見本 支那呉須一号 酸化焼成 色見本
2. 唐呉須二号(とうごす)
特徴:深みのある青。酸化だと黒味が強くなる傾向。
唐呉須二号 還元焼成 色見本 唐呉須二号 酸化焼成 色見本
3. ルリ呉須
特徴:紫がかった鮮烈な青。酸化でも鮮やかさが維持される。
ルリ呉須 還元焼成 色見本 ルリ呉須 酸化焼成 色見本
4. 古代三号No.3
特徴:渋みのある骨董風の青。酸化だと茶褐色に近くなる。
古代三号No.3 還元焼成 色見本 古代三号No.3 酸化焼成 色見本
5. 文山呉須(ぶんざんごす)
文山呉須 還元焼成 色見本 文山呉須 酸化焼成 色見本
6. 特製トク呉須
特製トク呉須 還元焼成 色見本 特製トク呉須 酸化焼成 色見本
7. 海碧(かいへき) 
特徴:明るい水色(トルコ青に近い)。酸化還元で大きな差が出にくい。
墨呉須 還元焼成 色見本 墨呉須 酸化焼成 色見本
8. 墨呉須(すみごす) 
特徴:黒に近い濃い紺色。酸化だとほぼ黒色になる。
海碧 還元焼成 色見本 海碧 酸化焼成 色見本

まとめ:酸化焼成でも「青」は楽しめる

実験の結果、以下の傾向がわかりました。

  • 還元焼成:コバルト本来の「鮮やかな青」や「深みのある藍色」が出やすい。
  • 酸化焼成:全体的に「黒味」や「茶色味」が強くなる。ただし、ルリ呉須や海碧のように鮮やかさを保つものもある。

電気窯(酸化焼成)で染付をしたい場合は、「ルリ呉須」「海碧」を選ぶと鮮やかな青を楽しめます。
逆に、渋いアンティーク風の作品を作りたい場合は、酸化で黒くなる「支那呉須」「唐呉須」が面白い表情を作ってくれるでしょう。

深海商店の「呉須」コレクション

今回テストした全ての呉須を、手摺り不要の高品質でお届けします。
あなたの窯の条件に合った「青」を見つけてください。

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この記事の執筆者

深海宗佑

佐賀県有田町出身。深海家13 代目。株式会社深海商店後継者。先祖は有田焼始祖の一人である百婆仙。熊本大学理学部理学科卒業後、東京の大手経営コンサルティング会社にて勤務。2021年8月に有田町にUターンし、有田焼及び肥前窯業圏の再興を使命に東奔西走する。