2026-02-13

呉須(ごす)はどうやって作られる? 日本で唯一の「伝統製法」

染付(そめつけ)の命である「呉須」。
その青色は、作り方ひとつで大きく変わります。

【重要なお知らせ】

2026年3月20日より、有田で作られる呉須はすべて深海商店製となります。
また、今回公開する「石臼摺り」を含む伝統的な製法を守り続けているのは、日本国内で弊社一軒のみとなりました。
この記事では、日本の磁器文化を支える「最後の砦」としての製法を包み隠さず公開します。

【結論】呉須の作り方は3パターンある

  1. 自家調合(テスト用):自分で原料を混ぜて摺る
  2. 市販品(大量生産用):機械ですり潰して乾燥させる
  3. 深海商店の秘伝製法(プロ用):機械粉砕+石臼で2週間摺り込む

1. 自家調合(テスト用)

お好みの色になるように、自分で酸化コバルト、鉄などの原料を購入し、調合する方法です。
乳鉢に原料を入れ、水や緑茶を混ぜながらひたすら手作業ですり潰します。

  • メリット:自分だけの色を作れる。
  • デメリット:気が遠くなるほど時間がかかる上、粒子が小さくなりきらず、ザラザラした粒感が残る。

2. 一般的な市販品(大量生産用)

画材店などで安価に売られている呉須は、主に以下の工程で作られます。

  1. 調合・均一化:ミキサーで混ぜる。
  2. 焼成:耐火レンガ(ボシ)に入れて焼く。(※省略するメーカーもあります)
  3. 粉砕・乾燥:トロンミルという機械で粉砕し、乾燥させる。

この製法は効率的ですが、粒子がまだ粗いため、そのまま手描きに使うと「筆が止まる(引っかかる)」という問題が起きます。
そのため、購入後に結局自分で乳鉢ですり直す必要があります。


3. 深海商店の「伝統製法」:日本で唯一の技術

深海商店の呉須は、上記の工程に加え、さらに手間のかかる工程を行っています。
これが、人間国宝や皇室献上作品に選ばれ続ける理由です。

【決定的な違い】石臼(いしうす)での超微粒子化

機械で粉砕した後、さらに「石臼」を使って2週間かけてじっくりと摺り潰します。
全工程にかける時間は1ヶ月以上。

その結果、粒子の大きさは1μm(0.001mm)という極限の細かさに到達します。

一般的な呉須

粒子が粗く、筆が引っかかる。
購入後に手摺りが必要。

深海商店の呉須

粒子が極限まで細かい。
スルスルと筆が走り、濃淡が美しく出る。
届いてすぐ使える(手摺り不要)。


実際の製造工程(動画)

百聞は一見に如かず。深海商店の工場で、実際に呉須が作られている様子をご覧ください。
特に後半の「石臼」の工程は、日本でここだけでしか見られない貴重な光景です。


まとめ:有田焼の青を守る、最後のメーカーとして

「良いものは高い」と思われるかもしれません。
しかし、深海商店は製造元(メーカー)です。
中間マージンが入らないため、Webで販売されている呉須の中では最安値クラスでご提供しています。

2026年3月より、有田の呉須はすべて深海商店が担うことになりました。
これは、私たちが作る呉須の品質が、400年の歴史を持つ有田焼の基準そのものであることの証明です。

もう、届いてから乳鉢でゴリゴリと摺る必要はありません。
日本で唯一の伝統製法で作られた「本物の青」を、ぜひあなたの作品にも。

深海商店の「呉須」コレクション

唐呉須、古代呉須、紫呉須など、多彩な青色をご用意。
全て石臼仕上げの超微粒子・手摺り不要です。

呉須一覧を見る ▶

 

この記事の執筆者

深海宗佑

佐賀県有田町出身。深海家13 代目。株式会社深海商店後継者。先祖は有田焼始祖の一人である百婆仙。熊本大学理学部理学科卒業後、東京の大手経営コンサルティング会社にて勤務。2021年8月に有田町にUターンし、有田焼及び肥前窯業圏の再興を使命に東奔西走する。