2026-02-18

【衝撃】釉薬って腐るの? 異臭や変色の原因と、プロが教える3つの防腐対策

「久しぶりに釉薬を使おうと思ったら、変な臭いがする……」
「ペットボトルの中で、釉薬の色が変わっている……」

もし、あなたがそんな経験をしたことがあるなら、それは釉薬が腐っているサインかもしれません。

「えっ、石や土が腐るの?」と驚かれるかもしれませんが、実は釉薬の管理方法を間違えると、中身が腐敗してしまうことがあるのです。

今回は、衝撃的な「腐った釉薬」の写真をお見せしながら、その意外な原因と、ご家庭でもできる3つの防腐対策について解説します。


1. 証拠写真:これが「腐った釉薬」です

まずは、実際に腐敗してしまった釉薬の写真をご覧ください。

腐敗して変色した液体釉薬のペットボトル

本来の色とは違う、緑色のものが繁殖しているのがわかりますか?
蓋を開けると、異臭がすることもあります。

⚠️ 腐った釉薬を使うとどうなる?

「臭いだけなら我慢して使えばいいや」と思うのは危険です。
腐敗した釉薬をそのまま使用して焼成すると、以下のような深刻なトラブルを引き起こす可能性があります。

  • ひび割れ(貫入とは違う亀裂が入る)
  • 剥離(はくり:釉薬がボロボロと剥がれ落ちる)

せっかく作った作品を台無しにしないためにも、腐敗させてしまった釉薬の使用は避けるべきです。


2. なぜ「石の粉」が腐るのか? 犯人は「手」にいた

釉薬の原料である長石や灰自体は腐りません。
では、なぜ腐敗が起きるのでしょうか?

最大の原因は、「雑菌の混入」です。

施釉(せゆう)の時に菌が入る

釉薬を掛けるとき、素手で作品を持ったり、釉薬の中に手を入れる事があると思います。その時、手に付着していた常在菌(雑菌)が釉薬の中に移ってしまうのです。

水分と栄養、そして適度な温度があれば、菌は爆発的に繁殖し、釉薬を腐らせてしまうのです。


3. 大切な釉薬を守る! プロ直伝「3つの防腐対策」

「じゃあ、一度開けたらすぐに使い切らないといけないの?」
いいえ、そんなことはありません。

正しい管理を行えば、液体釉薬は長く使うことができます。

対策①:上水(うわみず)を交換する(最も効果的!)

菌は水の中で繁殖します。定期的に水を入れ替えることで、菌の増殖をリセットできます。

  1. 釉薬を使った後、動かさずに3日ほど静置します。
  2. 釉薬の成分が底に沈み、上澄み液(水)と分離します。
  3. この上水だけを捨て、新しい水道水を入れてください。

これを行うだけで、釉薬の中の雑菌がある程度抑えられます。

対策②:冷暗所で保管する

菌は温かい場所が大好きです。直射日光が当たる窓際や、暖房の効いた部屋に置いておくのは危険です。
なるべく涼しい場所(冷暗所)で保管することで、菌の活動を抑えることができます。

対策③:除菌剤(ミルトン等)を入れる

赤ちゃんの哺乳瓶消毒に使われる「ミルトン」のような、次亜塩素酸ナトリウム系の除菌剤を少量添加するのも有効です。
(※入れすぎると釉薬の成分に影響する場合があるため、1Lに対し1cc程度から試してください)


まとめ:道具への愛着が、良い作品を作る

釉薬は、ただの材料ではなく「生き物」のようにデリケートです。
使った後は水を替え、涼しい場所に寝かせてあげる。
そんな少しの愛情をかけるだけで、釉薬はいつでも最高のパフォーマンスで応えてくれます。

深海商店の液体釉薬は、工場で衛生的に製造されていますが、開封後はお客様の管理が重要になります。
ぜひ、正しい知識で長く大切に使ってあげてください。

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この記事の執筆者

深海宗佑

佐賀県有田町出身。深海家13 代目。株式会社深海商店後継者。先祖は有田焼始祖の一人である百婆仙。熊本大学理学部理学科卒業後、東京の大手経営コンサルティング会社にて勤務。2021年8月に有田町にUターンし、有田焼及び肥前窯業圏の再興を使命に東奔西走する。